◆協議会の背景と目的
【背 景】
現役のITエンジニアの再教育、他産業からの転職者の教育、社会人における情報リテラシー教育が急務である。事実、IT人材の育成、高度化は喫緊の課題として関係官庁をはじめ国としての取り組みが始まっている。ところが、この施策の主たるところは大学を始めとする高等教育機関に対するものであり、企業に所属する人材の育成や社会人の教育に関しての施策は特に目立ったものはない。その役割を担うのが民間のIT教育事業者である。IT教育事業者の大手の多くはIT企業の子会社として設立され、売上比率は親会社からのものが大きい。そのため親会社の意向で売上が変動するという問題を抱えている。独立系教育事業者は新入社員教育や資格取得、ヒューマンスキルなどの教育サービスを展開している。いくつかの理由からそのサービスはスポット的なものにならざるを得ない面が強く、受講者の獲得コストが大きい(景気動向に大きく左右される)、教材やインストラクター育成に資本を注ぎにくい、といった問題がある。教育サービスを利用する企業サイドからこれを見たときも問題がある。①どの事業者がどんな教育を提供しているのか分かりにくい ②教育品質が見えない ③教育効果に大きな影響を持つインストラクターの質が見えない、などである。つまり、リスクを負って教育事業者を選定しなければならず、強い問題意識や意欲がある企業しか教育サービスを利用しないという傾向がある。こうしたことが相まって、IT教育の産業としての確立を阻害し、IT人材育成を阻害している。
インドを例に見ると、大手IT企業は自前で教育機関やインストラクターを持ち、年間売上高の5%を教育に投資している。日本がそうなっていないのはOJTで教育できた時代の慣習を引きずっていること、売上高利益率が低いこと、などによる。それでも超大手は教育子会社を持つ。しかし教育子会社の実態は、最前線を退いたSEのポジションという側面が強いという実態があり、教育体系の開発や教育技術の研究開発、教材(コースウエア)の開発、インストラクターの育成と認定などは、形式的なものでしかない。一方、中堅のIT企業が自前で、複雑化するシステムや技術、顧客ニーズに対応できるエンジニアを育成するのは困難だし経済合理性からいって行うべきではない。インド企業が小規模なころから人材育成に力を入れたのは、そうせざるを得なかったという理由もあるが、海外顧客からの収入と社員に払う人件費の差が大きかったということも大きい。したがって同じことを日本で行うことはできず、ここにIT教育専門の事業会社およびIT教育産業の確立、の必然性がある。このようなIT教育の現状を踏まえ、関係者が一丸となってわが国のIT産業を教育面から支援する団体として皆様のご賛同をいただき、ご参加の程宜しくお願い致します。
【目 的】
IT人材の育成を担うエデュケーション職(インストラクター、ファシリテーター、プランナー、コンサルタント)に焦点をあて、相互研鑚と情報交換の場として、又スキルアップや新しい教育手法の研究の場として、又ITSSエデュケーション職種としての確立を支援する。結果として、IT教育を利用する企業が抱えている課題の解決に寄与する。